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​プロジェクト紹介

 

​プロジェクト概要

 「彩の国連携力育成プロジェクト」は、地域住民の豊かな暮らしを支える「連携力」のある人材育成を目的とし、様々な取り組みを行っています。

 4大学の立地する埼玉県は、全国屈指のスピードで高齢者人口や高齢者単独世帯が増加し、住民の生活ニーズも複雑化・多様化してきています。一方、医療および介護従事者が不足し、今後も保健医療福祉分野の支援体制を十分に整備していくことが課題となっています。また、高度経済成長期に整備された集合住宅や住宅地が一挙に高齢化する一方、新しい集合住宅や宅地開発も行われており、保健医療福祉やまちづくりに携わる者は、地域社会の機能低下への対応ばかりではなく、新たな地域社会の創造を支援する必要もあります。このように、地域社会には、「挑戦的な課題」がたくさんあり、これら課題を解消し、地域住民の生活の質をより豊かに、安心して暮らせるようにして行くことが求められています。そのためには、様々な専門領域を担う職業人同士と地域住民とが連携し、生活空間をともに創造することが必要となります。

 「彩の国連携力育成プロジェクト」は、このような地域社会の要請を踏まえ、学士教育の段階から医学、看護学、リハビリテーション学、薬学、栄養学、社会福祉学、生活環境デザイン学などの保健医療分野と福祉分野、生活環境分野における連携教育を実施し、多職種の連携によって課題を発見し解決できる人材を養成することを目的として様々な活動を行って参りました。更に、平成29年度からは実社会で活躍している現任者の方々も対象とした取組を盛んに行っていく準備にも入りました。これからも「彩の国連携力育成プロジェクト」は、「地域住民の豊かな暮らしを支える「連携力」の育成」のために様々な活動を行って参ります。

 

プロジェクトの歩み

 埼玉県立大学、埼玉医科大学、城西大学、日本工業大学の4つの大学は、共同して教育プログラムを開発・実施し、学生の「連携力」を高める取組「彩の国連携力育成プロジェクト」をスタートさせました。文部科学省の2012年度「大学間連携共同教育推進事業」に選定されたこのプロジェクトの正式名称は、「彩の国大学連携による住民の暮しを支える連携力の高い専門職育成」。今後急速に少子高齢化が進む埼玉県において、地域住民の質の高い暮しをどう実現していけばよいのか。将来的には日本全国でも直面するであろうこの課題に対して、私たち4大学は、多様な専門領域を学ぶ学生が、自らの専門性を他の専門領域と協力しあいながら発揮していく力を養う機会を創出し、「連携力の高い専門職」を育成することにより、地域社会に貢献していきたいと考えております。

 開学以来、埼玉県立大学は専門職連携教育(IPE;Interprofessional Education)を充実・発展させ、2009年度より埼玉医科大学との共同科目を開発しました。2012年度からは、城西大学・日本工業大学を含めた4大学の学生が共に学ぶ機会を創出するために、各大学の教職員同士が連携し、埼玉県内の関係機関・団体にもご協力を頂きながら、連携力の高い人材育成を行うことを目指しています。

 4大学の連携を維持・継続するためには、4つの大学のぞれぞれの教職員が、Interprofessional work(IPW:専門職連携実践)を行わなければなりません。2012年~2016年度までの補助期間中、毎月1回の「共同会議」を開催したほか、年1回の「学長会議」、そして外部評価者を招いての「評価委員会」を開催しました。これらの成果も踏まえ、2017年度以降も継続してプロジェクトが進められるよう、4大学および埼玉県による「協定書」も締結しています。

 

 また、様々な大学の教員や先駆的な実践を行っている現職者をお招きして研修会等を開催し、教育を支える教職員、実習施設関係者の皆様、一般県民も含む広く関係者の皆様の学習の場を創出し、地域における連携力の育成に取り組んできました。

 文部科学省の補助は2016年度をもって終了しましたが、「彩の国連携力育成プロジェクト」では、今後もこれらの活動を継続して実施し、「暮らしを支える人材」の育成に努めていきたいと考えています。

 

埼玉県立大学のIPE

 埼玉県立大学では、1999年の開学当初から「保健医療福祉の連携と統合」という教育理念を掲げ、その理念を具現化するために、連携に関する全学必修の科目を配置してきました。これら一連の取組の実績と将来構想は、2005年度文部科学省「特色ある大学教育支援プログラム」(特色GP)、及び「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」(現代GP) に採択され、これらの補助を受けて教育内容を発展させてきました。具体的には、多様なケアの担い手となる学生が共通して学ぶ「連携と統合科目群」を発展・充実させ、「ヒューマンケア論」「フィールド体験学習」「連携の窓科目」「インタープロフェッショナル演習(IP演習)」という一連のIPE科目を配置しました。

 このようなIPE科目を、単なる抽象的な学習にとどまらず、学生の実践力を育むものにするためには、地域の援助者や住民の方々の協力が欠かせません。そこで、本学の研究・教育機能を生かして、援助者や住民の方々に対して、多様な職種の理解や連携技術、ファシリテーション技術に関する研修事業、情報提供活動を、埼玉県の保健・福祉行政と連携して実施してきました。

 新たなカリキュラムは2006年度入学生から適用されましたが、その間に数々の試行的取り組みや説明会、研修事業を行いながら、4年時に開講する「IP演習」の科目構築をすすめます。その過程の中で、埼玉医科大学医学部との協力関係が構築され、医学生とも「共に学ぶ」環境を整えることができました。

 こうして2009年度に正式開講した「IP演習」では、埼玉県立大学の5学科7専攻の学生と、埼玉医科大学の医学生が、混合で約80のチームを組み、埼玉県内の約80の医療機関・福祉施設などに協力をいただきながら専門職連携を学ぶ科目としてスタートを切りました。

 2012年度からのカリキュラムでは、新たに2年生、3年生において専門職連携を学ぶ講義・演習科目を配置。このような段階的なIPEカリキュラム構成が、現在の埼玉県立大学・埼玉医科大学・城西大学・日本工業大学による「彩の国連携科目」に踏襲されています。