IPWカフェの6回目は、2月18日にオンラインで開催いたしました。今回のミニレクチャーの講師は、埼玉県公認心理師協会理事で事務局長の花村温子先生。レクチャーのタイトルは「チーム医療における公認心理師の役割」です。
花村先生のお話は、「公認心理師とは」という観点から始まりました。
古くからある「臨床心理士」とは異なり、「公認心理師」は国が認定を行う国家資格。2018年に第一回の試験が始まった新しい制度ですが、すでに全国で5万人以上が認定を受けており、法律で「保健医療・福祉・教育関係者等と
の連携」を義務付けられているとおり、様々な分野で活躍されています。
花村先生のように病院でご勤務される公認心理師の場合は、精神科・認知症・緩和などの「ケアチーム」の一員として、患者さんへのカウンセリングはもちろん、「チームを上手く機能させる」ことも期待されています。このような時には
●患者さんは誰に心を開いているか
●チームの誰かが暴走していないか
●病棟の人間関係がマズくなっていないか
などの「チームという集団を心理学的に見ていく視点」に着目しながら、「患者さんが《その人らしく生きる》を皆で支える」ように働きかけを行います。
また、ケアチームが治療や支援を行う患者さんやご家族の中には、病気・障害に起因する不安・うつを始め、さまざまな要因により、「他者との関わりを持つことが難しくなってしまっている人」がいます。このような人との意思疎通を図る際には
●関わりにくさの裏には何があるのか
●ものの捉え方が偏っている(自分とは異なる)
等を意識することも必要だが
●もともと偏屈な人もいるので、必要以上に自分の関わり方を反省しすぎない
ことも大事だとのお話しもありました。
「チームを上手く機能させる」ことや「関わりの難しい患者・利用者さん」については、どの職種の方も頭を悩ませているようで、ミニレクチャーの後の質疑応答では、かなり具体的なケースを上げて「こういう場合のときには、どうすればよかったんだろう?」「カウンセラーさんにはどのような形で関わってもらえばよかったのか」などの質問・相談が寄せられていました。
「偶数月開催」が定着しつつあるこのIPWカフェ。次回は4月22日(金)に、社会福祉士・精神保健福祉士の松岡広樹先生をお招きして開催する予定です。

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