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IPWカフェを開催しました(2024年6月27日)

kikaku262

 17回目のIPWカフェのミニレクチャーの講師は、埼玉県立大学作業療法学科の教員で、精神科のリハビリテーションを専門とする柴田貴美子准教授(作業療法士・精神保健福祉士)です。「作業療法の視点」というタイトルのもと、作業療法の源流・視点についてお話いただきました。


 皆さんは作業療法士にどのようなイメージをお持ちでしょうか? 心身のリハビリのために指導をしてくれる人、などと大雑把には知っていても、細かいことまでは知らない方がほとんどかもしれません。今回のお話で、曖昧だったそのイメージがだいぶくっきりしたような気がします。それではその中身について少し紹介させていただきたいと思います。


 一般的に作業療法の起源は18世紀ごろに現れた道徳療法と言われているようです。その療法では、精神疾患者にとって作業をすることが、それ自体が健康に結びつくもの、自分を取り戻し生活の予行練習に役立つものとして認められていました。その後一度は衰退するも、20世紀初頭に発生した「アーツアンドクラフツ運動(産業革命による大量生産を批判し、手工業を推進しようとする運動)」において付随的に、病者の治療や社会参加に用いるための手芸やダンス、音楽等が企画されたことで、「作業治療」「仕事治療」と呼ばれ作業療法が社会的に大きく発展したとのこと。作業療法はリハビリをするための特別な治療と思っていたので、“作業”そのものに焦点を当てて発展してきたのには驚きました。


 日本作業療法士協会による作業療法の定義は「作業療法は、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である。作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す。」で、ここでの“作業”は家事や仕事、趣味や遊び、休養など、日常の生活活動一切を含んでいます。作業療法士にとって、私たちの日常生活すべてがその支援の対象だったなんて、思いもしませんでした。私たち一人ひとりと関わりの深い、とても幅広い範囲の仕事をされる職業だということになりますね。


 作業というものを考えるとき、その人がその作業にどのような意味を見出しているか、がとても重要だと柴田さんは言います。端から見たら何気ない作業であったとしても、当人からするととても楽しい大事なことかもしれません。それが怪我や病気でできない・しづらくなった場合、どのような別の作業を行うのが良いか・どのような方法であれば元と同じ作業が行えるのか、本人の意思を尊重して考えていくのが作業療法士のお仕事だそうです。


「人は作業をすると元気になる」

●皆さんは何をしている時が楽しいですか?

●楽しい作業が急にできなくなってしまったら、今まで通りの生活を送ることはできますか?

 とかく忙しない日々で自分のことを後回しにしてしまいがちな人も多いのではないでしょうか。明日も明後日も元気で過ごすため、朝から寝るまで(もしかしたら寝ている間も!?)の活動を丁寧に振り返って、自分の大事なこと、大事にしていることを考えてみるのはいかがでしょうか。


人は作業をすると元気になる
人は作業をすると元気になる

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